Suicaが受け入れられた理由

Suica

Suicaが登場するまで、ICカードは私たちにあまり馴染みのない存在でした。それを、Suicaは、ぐぐっと私たちの身近な存在に引き寄せてくれました。

どうして、Suicaにはこのようなことができたのでしょうか?またどうして皆にすんなり受け入れられ、こんなにも多くの人に使われるようになったのでしょうか?

実は、Suicaが実用化される前にも、様々な業界でICカード化の大きな流れはありました。
偽造や不正使用に頭を悩ませていた金融業界では、クレジットカード・キャッシュカードを、磁気カードからICカードに切り替える動きが、比較的早い時期からありました。

しかし銀行のキャッシュカードやクレジットカードに使われていたのは、いずれもセキュリティ機能を重視した接触型ICカードでした。
接触型の場合、暗証番号を入力するなどの手間と時間がどうしてもかかってしまい、使い勝手の良いカードとは言えませんでした。
財布から出して、向きを確認して、差し込んで、暗証番号を入力して…と、どうしても処理を完了するまでに数分かかってしまうのです。

また電子マネーの分野でも、大規模なICカード実用化実験が日本各地で行われていました。
しかし、いずれも思うような成果が出ず、実用化にはいたりませんでした。
何故なら、ICカードである必然性、またICカードの便利さが、実験に参加したモニターにはっきり伝わらなかったからです。ICカードを使うメリットが伝わらなければ、ICカードは普及しません。


Suicaが受け入れられた理由はここにあります。

Suicaは、もともと交通目的の乗車カードです。
一分間に最大60人通過するという、ラッシュ時の改札で、人の流れを妨げることなく、利用できなくてはなりません。
そのニーズに、『わずか0.2秒で相互認証、暗号化、情報の読み書き、運賃計算が全て完了する』という技術『FeliCa(SONYが開発した非接触型ICカードの技術方式)』が、ばっちり応えたのです。
それまで使用されていた磁気式イオカードの処理時間が約0.7秒というのですから、その差は歴然です。
カードの処理時間だけでなく、今までのように、わざわざパスケースから取り出して、向きを確認し、差し込んだりしなくてはならない、ということもありません。
忙しい朝夕のラッシュ時に「かざすだけ」で電車運賃の支払いができるSuicaは、私たちに乗車カードがICカードである必然性をわかりやすく伝えてくれました。

この「かざすだけ」という近未来的かつ強烈なインパクトは、「ICカードは便利」というイメージを定着させました。
さらにFeliCaは、磁気式のイオカードとは比較にならないほどセキュリティに優れており、十分信用に足る技術でした。

Suicaは、非接触型ICカード、しかもFeliCaを利用していたからこそ、成功したと言えます。(ちなみにFeliCa以外のタイプでは、同じ非接触型ICカードでも、この速さは出せませんでした)

Suica は、日本で一番最初にFeliCaの採用を決定して、日本で一番最初に大規模なICカードの実用化に成功したのです。

利用者だけではありません。JR東日本側から見ても、嬉しいメリットがありました。
それは、Suicaがリーダー/ライターに差し込むタイプのカードではないため、リーダー/ライターの磨耗がなく、一回数十万かかるメンテナンスコストを削減することができるという点です。

またSuicaは、磁気カードであるイオカードとは違って、チャージ(入金)することで繰り返し使え、環境にも優しいカードでした。

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