歴史

ICカードの歴史

では、このように便利なICカードは、いつ、誰の手によって生まれ、どのような経緯で現在のかたちにいたったのでしょうか?

実はICカードの発明者は、有村國孝さんという日本人です。
1969年、工学博士の有村さんがICカードのアイデアを考えつき、1970年に特許申請を行いました。

これが、ICカードのはじまりです。そしてこのアイデアは1976年に国内特許を取得します。
しかし、日本では、この後しばらくICカードが一般の人々の目に触れることはありませんでした。
何故なら日本は国策として、ICカードではなく磁気ストライプカードを採用する方向に進んだからです。

磁気カードが選ばれた理由としては、

1.磁気カードの方が安価だったこと
2.磁気カードを使用した場合でも、他国のように偽造や不正使用があまり発生しなかったこと

などが挙げられます。

1980〜1990年代は、磁気カードが主にテレホンカードとして大活躍しました。
一方のICカードは、「実用化すること」よりも、「より技術的に高度なものを」という点が重視され、狭い範囲で実証実験が行われるのみでした。

しかし1990年代末から、電子マネーとしてのICカードの大規模な実用化実験がにわかに活発になってきます。
通産省が予算を投じたVISAキャッシュの神戸・渋谷での実証実験や、郵政省が行った大宮郵貯ICカード実証実験、NTTコミュニケーションズが中心となった新宿スーパーキャッシュ実証実験などです。

ところがここで一大転機が訪れます。

1990年代に日本のソニーがFeliCa(非接触型ICカードの技術方式)を開発したのです。
高速処理が可能なFeliCaは、交通目的の乗車カード、つまり駅の改札の混雑を緩和する「お助けアイテム」としてぴったりでした。

そして1997年、FeliCaが香港でオクトパス(地下鉄のICカード乗車券)として実用化されます。
この実用化は大成功しました。
この成功例は、1987年頃からJR東日本でずっと検討されていた乗車券ICカード化計画を後押しし、2001年、ついに日本におけるICカードのパイオニア、Suicaが登場することになるのです。
これが日本に一大ICカードブームをもたらすことになるのです。

一方、フランスでは、有村さんとほぼ同時期1970年代に、ロラン・モレノさんという方も同様のICカードのアイデアを思いつきました。
そしてモレノさんはフランス特許庁に特許を申請し、続いて国際特許も取得しました。これは有村さんのアイデアが日本国内に限られる国内特許だったからです。
その後、フランスは国策として、日本とは対照的に、ICカード実用化に向けての積極的な展開をはじめました。

まずテレホンカードのICカード化に着手し(1983年)、続いてキャッシュカードのICカード化(1992年)を世界でいち早く行いました。


日本に比べ、欧州の方が一足早くICカードの実用化をはじめていたと言えます。

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